大した努力もせず泣き言を言うのは、お辞め。見苦しい。
2003年10月3日 メモ 行くのはおよし、と声がかかった。
「あれは獣だ。人の慰めなどいらぬ」
突き放すような言葉に、向き直った。柱の影から男が姿を現す。
「彼には今、側にいる人が必要なんだよ」
「獣は傷を受ければ、一人で身を潜めて癒す。お前と傷を舐めあう事など、あれは求めておらんよ」
「それでも! 私が、側に、いたいんだ」
男が目を眇める。揶揄するような、見極めようとするような目つき。
「で、あれば良かろうよ」
ふらりと、何の興味もなさげに立ち去った。
「許しているとでも御思いで?」
ずるりと剣がめり込んだ。
「お前は、だって、何も言わなかったじゃないの!」
喘ぐ内にも刃は深く沈んでゆく。
「あなたこそ何も聞かなかったではないか。知っているはずだ、とばかり」
絨毯にくずおれた体ごと、彼は短剣を手放した。
「あれは獣だ。人の慰めなどいらぬ」
突き放すような言葉に、向き直った。柱の影から男が姿を現す。
「彼には今、側にいる人が必要なんだよ」
「獣は傷を受ければ、一人で身を潜めて癒す。お前と傷を舐めあう事など、あれは求めておらんよ」
「それでも! 私が、側に、いたいんだ」
男が目を眇める。揶揄するような、見極めようとするような目つき。
「で、あれば良かろうよ」
ふらりと、何の興味もなさげに立ち去った。
「許しているとでも御思いで?」
ずるりと剣がめり込んだ。
「お前は、だって、何も言わなかったじゃないの!」
喘ぐ内にも刃は深く沈んでゆく。
「あなたこそ何も聞かなかったではないか。知っているはずだ、とばかり」
絨毯にくずおれた体ごと、彼は短剣を手放した。
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